第2モジュール授業を患者さんにどう還元するのか?

第2モジュールでは、癌及び非癌疾患の症状マネジメントについて学んでいます。日本では、非癌の緩和ケアの保険適応はまだ心不全(その中でも救急搬送の回数などにもかなりの制限があります)だけです。また、非癌疾患に対しては医療用麻薬の使用方法がかなり制限されています。しかし、英国では、非癌の緩和ケア(COPD、神経疾患、認知症など)も多く行われ、それについて勉強できるのが、大学院の大きな魅力だと思います。
 
非癌の肺疾患の患者さんは日本にも多く、在宅医療でお会いすることがあります。息苦しさを抱えたまま暮らされる患者さんに、可能な限りの薬物治療を行い、生活環境の整備を行います。しかし、病気の特性上、肺自体の組織を破壊して進行するものもあり、必ずしも完全に緩和できる症状ばかりではないのです。そのようなとき、医療者である私たちは、患者さんの辛さを思い、とても悔しく悲しい思いを何度もしました。
 
今回の授業では、エビデンスに基づいた、非薬物治療も学ぶことができています。薬物治療法は、保険の関係で国によって異なる部分もありますが(医療用麻薬以外は大きくは変わらないことが多いですが)、非薬物治療は、どの国にいても行うことができます。
 
第2モジュールで非癌の緩和ケアのエビデンスに基づいた非薬物治療を学ぶことで、少しでも患者さんの症状が軽くなるように努力できればと思います。